大阪大学
津和野会議2021
CO

ACTIVITY REPORTS

活動報告

2022年4月15日(金) 公開

超域イノベーション総合
津和野会議2021
@津和野 開催報告

2021年12月 4日(土)
担当教員
  • 山崎 吾郎(COデザインセンター)
  • 大谷 洋介(COデザインセンター)
  • 松本 文子(国際共創大学院学位プログラム推進機構)

はじめに

 「『社会と知の統合』を実現するイノベーション博士人材フェローシップ」事業では、社会の多様なアクターとの共創によってイノベーションを実現する博士人材の育成を促進しています。フェローシップに採用された学生たちは、学際共創プロジェクトに取り組むことで、実践的な「高度汎用力」の獲得に努めています。
 本活動の一環として、2021年12月4日に津和野会議2021(島根県津和野町)の中で行われた津和野まちなか会議「科学技術と持続可能な社会」セッションに、学生たちが参加し、自分たちのプロジェクト「Zero Waste」の活動報告を行いました。その様子をレポートします。


内容

@津和野会議 2021.12.04

津和野会議とは、国内外の実践者が、まちづくりや経済再生、創造性などにおける「学び」の可能性について議論する「丸一日の長い会議」です。第3回目となる津和野会議2021はCOデザインセンターとの共催によって開催され、テーマは、「学びの場としての地域」。会場は島根県津和野町のまち全体で、さまざまな伝統的建物や空き家活用拠点などを使って行われました。
学生たちは「科学技術と持続可能な社会」セッションに参加し、これまで検討を重ねてきた「Zero Waste」プロジェクトについて報告しました。参加したのは、LENG XINYUANさん(人間科学研究科博士後期課程1年)、張 曼青さん(人間科学研究科博士後期課程1年)、王 藝璇さん(人間科学研究科博士後期課程1年)、蘇 暁笛さん(言語文化研究科博士後期課程1年)、鈴木 寛太郎さん(工学研究科博士後期課程1年)です。県や町の職員、地域の人、全国の津和野や地域課題に関心のある人が集まる中での発表でした。
「Zero Waste」プロジェクトの課題は、「循環型社会へ向けた『ごみゼロのまちづくり』をデザインせよ」。吹⽥市環境部 環境政策室からの話題提供で、2050年頃に予定されているごみ焼却場の建替を前提に、ごみ焼却場の必要性や処理能⼒等も含めて、循環型社会の実現のための効果的なごみ削減の総合的な施策をデザインするというものです。
 学生たちが考えているのは、高性能なごみ焼却所など科学技術の発展に頼らず、経済の仕組みやライフスタイルで解決を目指そうとするものです。そこで、「持続的なごみゼロの実現のためにはビジネスモデルの導入がいいのではないか。その一つの手法としてソーシャルビジネスに注目している」「市民参加型のエコ商品購入の循環システムを考えている」などの提案を行いました。
参加者からはさまざまなコメントが出て、そこからつながってグローバルにもローカルにも話が展開しました。
建設関係の仕事の経験がある参加者からは、「ごみの分別をどれだけ行いゼロミッションで取り組んでも、最後に必ず何かが残る。処理できるものは課題クリア、処理できないものについて取り組んでいくという風に分けて考えてみたらどうか」とのコメントがありました。また、「ここまで頑張れば技術が助けてくれるという希望がないと、エコなライフスタイルの啓発は啓発する側も受け手も心がなえてくる。科学技術とライフスタイルの啓発は共存してやっていくのがよいのではないか」といったコメントもありました。

まとめ

2021年度「超域イノベーション総合」も折り返し地点を過ぎ、残すは、2022年1月28日の最終報告会と、2月25日の最終報告書の提出です。
今回学生たちは、これまで検討を重ねてきたアイデアや提案の報告を終え、国内外の多様な参加者と問題意識を共有することで、さまざまなアイデアや発見を得ることができたようです。1月の最終報告に向けて、さらに企画を深めていく自信を得た様子でした。どのような最終報告の提案となるのか、とても楽しみです。
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