超域イノベーション総合
初回レクチャー&フィールドワーク
@KIITO 開催報告
担当教員
- 山崎 吾郎(COデザインセンター)
- 大谷 洋介(COデザインセンター)
- 木多 道宏(工学研究科)
- 倉敷 哲生(工学研究科)
- 原 圭史郎(工学研究科)
- 永井 裕太(国際共創大学院学位プログラム推進機構)
はじめに
大阪大学では「社会と知の統合」という理念の下、高度な専門力と汎用力を持ち、社会の多様なアクターとの共創によりイノベーションを牽引する新たな博士人材の育成を強化しています。「『社会と知の統合』を実現するイノベーション博士人材フェローシップ」では、そうした人材への成長を目指し実践的な学際共創プロジェクトに従事する学生を支援しています。本制度の対象者は、COデザインセンターが主幹となって実施する学際共創プロジェクトに参画し、実践的な「高度汎用力」の獲得、および新たな博士課程取得後のキャリアパスの開拓に努めることになっています。
「超域イノベーション総合」は、上記フェローシップ事業において学際共創プロジェクトに位置づけられ、超域イノベーション博士課程プログラム(COデザインセンター)が提供しています。
内容
「超域イノベーション総合」では、様々な専門分野を持つ学生が4-5人で1つのチームを作り、約8ヶ月をかけてリアルな社会課題に取り組みます。
今回のプロジェクトは、KIITO(正式名称:デザイン・クリエイティブセンター神戸)の協力のもと行われています。現在、兵庫県神戸市の三宮地区では、新たな魅力と活力ある都心・ウォーターフロントの創出をテーマに大規模な再開発が進行中です。今回取り組む課題は、そのような状況を含めSDGsの視点から神戸の街全体を元気にする活動を学生たちが企画し、提案することです。
2021年6月27日、本プロジェクトに参加する学生たちがKIITOを起点に神戸の再開発地区でフィールドワークを行いました。山崎吾郎 COデザインセンター准教授から学生たちに以下のようなアドバイスがありました。
「皆さんには、できるだけ視野をひろげて、まずは自由にやってもらいたいと思っています。今回取り組むテーマの難しいところは、関係するステークホルダーがあまりに多いということです。SDGsの重要なメッセージは『誰ひとり取り残さない』ですので、特定の人だけを対象にしてイベントをするわけではないのですね。しかし同時に、イベントのコンセプトははっきりさせないといけない。様々なステークホルダーをどうやってつないでいくか、関わり代(しろ)をどう作っていけるかというところに、今回のテーマの一番のポイントがあるはずです。
また、提示されたテーマには『地域の共創イベント』という表現が入っていますが、この『地域性』というのをどう考えるか、実はとても複雑です。メインロードから一歩中に入ると異なる風景がみえる、ということもあるはずです。地域をどうとらえるかによって、参加者の顔ぶれも、問題の枠組みも変わってきます。フィールドワークをしながら、まずはいろんな角度からこの街をみる、ということが大事だと思います。
実際に路上を歩いているとどうしても視点が足元近くに集中しがちですので、歩きながら五感で場所の雰囲気を感じつつ、同時にイベントの行われるときの様子を想像してみるという、『頭のなかでの往復運動』にぜひ取り組んでみてください。」
まとめ
2021年度の「超域イノベーション総合」は、以下のスケジュールですすめられます。
2021年
・6月18日:キックオフ
・10月15日:学内中間報告会
・10月16日:KIITOでの合同発表会
*上記の合同発表会は、「SDGs+クリエイティブミーティング」としてオンライン配信されます。
2022年
・1月28日:最終報告会
・2月25日:最終報告書の提出
学生チームは、今回のフィールドワークをふまえ、10月半ばに中間報告会、1月末に最終報告会を行う予定となっています。学生たちがどのような切り口で課題にアプローチし、どのような提案を行うのか、今後の活動を見守っていきたいと思います。
参考URL
- デザイン・クリエイティブセンター神戸(愛称:KIITO/キイト)
https://kiito.jp- KIITO300ファーム 大学連携 合同フィールドワーク レポート
https://kiito.jp/news/2021/07/05/49721/- COデザインセンター 授業レポート
https://www.cscd.osaka-u.ac.jp/co/2021/001080.php