授業レポート
集中講義「科学技術イノベーション政策総合演習」
2023年度
COデザインセンターでは多様な授業が開講されています。
今回は集中講義「科学技術イノベーション政策総合演習(*1)」をご紹介します。
*1 副専攻/高度副プログラム「公共圏における科学技術政策」の履修者のみを対象とする科目です。
この科目の受講生は、毎年夏に実施されている「SciREXサマーキャンプ」(2泊3日の合宿形式セミナー)に参加することができます。このサマーキャンプには、政策研究大学院大学、東京大学、一橋大学、大阪大学、京都大学、九州大学から教員や学生が参加します。科学技術イノベーション政策に関する課題について、ゲスト講師による講義や、参加学生とのグループワークにより、問題分析や政策提言等の作成・発表を行います。
2023年度は、9月8日から3日間の日程で、この「SciREXサマーキャンプ」が実施されます。限られた時間、情報、資源等の中で、多様な専門的背景をもつ人々との共同作業を進めるという体験をすることになるのですが、そのための準備として、共同作業のための場づくりや関係づくりを目的に、毎年、事前ワークショップを行なっています。
ここからは、デザイナーの岩田直樹さんと岩田花奈さん(アトリエ・カプリス)をゲスト講師としてお迎えして実施された事前ワークショップの様子をご紹介します。
<事前ワークショップ>
開催日:2023年8月9日(水)10:30〜16:00 会場:豊中キャンパス 全学教育総合棟Ⅰ 3階 COデザインスタジオ(341号室)
この日は、「『ギロン』をデザインする。」というテーマで、さまざまなワークに取り組みました。
まずは、会議やワークショップなどの場で定番となっているやり方について考えてみました。
最初は、アイスブレイクをして、問題を共有し、ブレインストーミングをして出てきたアイディアをシェアするという「定番の」流れで、本当に参加者のポテンシャルを引き出せているのだろうか、本当にみんなが納得する合意形成ができているのだろうか、ということを問い直すところから始まりました。
続いて、講師の岩田さんから「きっかけ」「問いかけ」「しかけ」の3つのキーワードが提示され、これらのキーワードに沿ったワークを行いました。
午前中に取り組んだのは、自己紹介を兼ねた2つのワーク。
1つ目は、3つのキーワードのうち1つだけ嘘を入れて、自己紹介をするというもの。
2つ目は、ずらりと並んだ漢字(16×24で384個)の中から、自分が見えた単語を5つ書き出して、それらを使って即興で自己紹介をするというもの。
午後からは、「コワーキングスペースをデザインする」というお題に取り組みました。会場内にある備品などを使って、参加者のクリエイティビティを引き出す「しかけ」を考えます。
話しやすくするために「視線」に注目して場づくりを考えたグループ、パネルなども使いながら、発言しやすいように、アイディアが浮かびやすいように、と配慮した空間を考えたグループ、ネガティブ発言が出ない工夫や集中力が高まる環境づくりを目指したグループと、それぞれが話し合いながら場を作っていきました。
グループごとにコンセプトなどを説明した後で、お互いにその場を体験してみて、感想や改善点のアドバイスなどを交わして、授業は終了です。
対話や議論について、体験を通して考えることができた1日でした。
ゲスト講師の岩田花奈さんが、この事前ワークショップの様子を短い動画にまとめてくださいました。みんなでワクワクしながら取り組んだワークの様子、ご覧ください。