大阪大学
東佑貴さん インタビュー
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INTERVIEW

受講生インタビュー

2023年4月14日(金) 公開

宇宙地球科学 ⇔ 人文社会科学
東佑貴さん インタビュー

理系のバックグラウンドをもって、社会とつながる

  • 他分野の専攻の人との議論などをとおして、今まで疑問に思わなかったことを疑問に感じるようになった
  • 数値やデータからではなく、自らの視点で課題を見つけ、検証方法の妥当性も考えながら研究をまとめるという人文科学の手法を経験できた
  • 自分の専門である理論物理の知識を深めながら、未来を担う子どもたちにその知見を伝える教職に、科学と社会をつなぐ可能性を感じるようになった
東佑貴

大学院副専攻プログラム「公共圏における科学技術政策(STiPS)」
大阪大学大学院理学研究科宇宙地球科学専攻 博士前期課程1年(2023年3月時点)

 私は一つのことだけをずっとやり続けるのが得意なタイプではないので、主専攻と並行して気分転換になにか他のことにも取り組みたいなと思っていました。研究科のガイダンスで配られたSTiPSの広報誌『STiPS STYLE!』を見て、もともと社会と科学のつながりに関心があったので「これだ!」と思い、履修することにしました。

 ただ、「科学史・科学哲学入門」のレポートを書くのは、なかなか最初は大変でした。理学研究科の専門科目の方では、数式や実験の作業手順の説明文は日常的に書いていますが、自分で問いを設定し、そのテーマに沿って思考プロセスを4,000字という量でまとめるというのは今まで経験したことがなかったからです。STiPSの授業で鍛えられたこのスキルは、今後いろいろな場面で活用できると思います。

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 私の専門は理論物理で、基本的に数値データをもとに議論をします。それはつまり、今現在何が分かっていないのか、ということも捉えやすい部分がある、ということだともいえます。一方、人文社会科学の世界では、問題を問題として捉えることそのものが、難しいのだと感じました。さまざまな現象のなかで何が問題なのか、さらに、人間や現象に対してどのような方法でデータを取ることが適切か。STiPSの授業で、とくに他分野の人との議論などを通じて、今まで疑問に思わなかったことが気になるようにもなりました。

 今でも自分の専門の研究テーマと社会とには距離があるように感じているのですが、STiPSで学んできたことを通して、私が個人として社会とつながる部分はたくさんある、と捉えるようになりました。今は将来、教師という道に進むのもいいかな、と考え始めています。自分が持っている科学的知識を深めながら、これからの未来を担う子どもたちにそれらを教えるというのは、社会と科学をつなぐ方法の一つだと改めて感じています。

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