STiPS Handai研究会 レポート
シリーズ 科学技術×公共政策(2022年度冬) #3 競争から協力へ―米露宇宙関係の展開
2023年2月9日(木)に、科学技術に関する公共政策の特徴を、具体例を通じて学ぶセミナーシリーズ「科学技術×公共政策(2022年度冬)」の第3回「競争から協力へ―米露宇宙関係の展開」を開催しました(授業「科学技術と国際政治B」(担当:渡邉 浩崇)の一環として開催)。
<開催概要>
*大阪大学COデザインセンターが開講する2022年度冬学期授業「科学技術と国際政治B」の一環として開催。
- 第105回STiPS Handai研究会
- 題目:シリーズ科学技術×公共政策(2022年度冬) #3 競争から協力へ―米露宇宙関係の展開
- ゲスト:ジョン・M・ログスドン 氏(米国ジョージ・ワシントン大学 名誉教授)
- 日時:2023年2月9日(木)10:00〜12:00
- 場所:オンライン
- 対象:SciREX人材育成拠点で学ぶ学生や関連する教職員、大阪大学の学生
- 参加費:無料
この日はオンライン形式で開催しました。ゲストのジョン・M・ログスドン氏は米国の首都ワシントンDCから、司会進行をつとめた渡邉 浩崇 特任教授は豊中キャンパスから参加しました。大阪大学の教職員や学生など計10人が参加しました。
研究会の前半は、今回ゲストにお迎えした米国ジョージ・ワシントン大学 名誉教授のジョン・M・ログスドン氏より、冷戦中、冷戦終結、そして冷戦後、米国とロシア(旧ソ連)の宇宙をめぐる関係がどのように変化してきたかについてご講演いただきました。
1957年から1991年までの冷戦中、米国と旧ソ連は宇宙の主導権をめぐって競争してきたが、冷戦終結直後、1993年にロシアがそれまでのそれぞれの宇宙ステーション計画を統合することを提案し、米国がその提案を受け入れたことにより、現在の国際宇宙ステーション(ISS)計画が誕生して現在に至っていることなどを、わかりやすくご説明いただきました。
研究会後半は質疑応答とディスカッションを行いました。
ログスドン氏が提示された論点、「何が米露間の宇宙ステーション協力をまず可能にし、その後も持続的なものにしたのか。」「中国に、国際宇宙ステーション計画にある時点で参加するように呼びかけなかったことは失敗だったのか。」「宇宙における軍事的な競争は、これからの非軍事的な協力を不可能なものにするのか」などについて、参加者からは様々な意見や関連した質問が出されました。
終了後には、参加者から次のような感想が寄せられました。
(*読みやすくするために、実際に届いた文章に編集を加えて掲載しています)
「米露間の宇宙分野における競争や協力の関係と、地上における政治的関係、これらの関係の歴史を初めて知りました。」
「これまでと現在の米露宇宙関係を教訓として、これからの米中宇宙関係を考えていこうと思いました。」
「米国宇宙政策に関する世界的権威である方のお話をお聞きし、また直接議論することができる大変貴重で贅沢な時間でした。」