STiPS Handai研究会 レポート
シリーズ 「科学技術×公共政策(2022年度夏)」 #2 科学技術・イノベーション政策の現状と課題
2022年7月11日(月)に、科学技術に関する公共政策の特徴を、具体例を通じて学ぶセミナーシリーズ「科学技術×公共政策(2022年度夏)」の第2回「科学技術・イノベーション政策の現状と課題」を開催しました。
<開催概要>
*大阪大学COデザインセンターが開講する2022年度夏学期授業「科学技術と公共政策B」(担当:渡邉 浩崇)の一環として開催。
- 第102回STiPS Handai研究会
- 題目:シリーズ 科学技術×公共政策(2022年度夏) #2 科学技術・イノベーション政策の現状と課題
- ゲスト:赤池 伸一 氏(文部科学省 科学技術・学術政策研究所 上席フェロー)
- 日時:2022年7月11日(月)15:10〜18:20
- 場所:オンライン形式
- 対象:SciREX人材育成拠点で学ぶ学生や関連する教職員、大阪大学の学生
- 参加費:無料
この日は、講師がオンラインでの参加となったこともあり、司会進行と授業の履修生、そしてその他の参加者もオンラインでの参加となりました。授業の受講生に加えて、大阪大学の教職員や学生など計16人が参加しました。
文部科学省科学技術・学術政策研究所上席フェローの赤池伸一さんをゲストにお迎えし、科学技術イノベーション政策の体制と最近の動向について、ご講演いただきました。
研究会の前半は、日本や諸外国の科学技術イノベーション政策の体制や内容、日本の科学技術イノベーションの国際的ポジション、現在の日本の科学技術イノベーション政策の制度と課題などについて、ご説明いただきました。
後半は質疑応答とディスカッションを行いました。
とくに、日本の第5期科学技術・イノベーション基本計画(2016年4月~2021年3月)の成果と課題として、研究力強化に関する質問や感想が多く出されました。日本は近年、大学における博士課程進学率の減少、若手研究者の安定的ポストの減少、大学の資金の乏しさ、優れた論文数等の国際的地位の低下などに苦しんできました。それらへの対策が第5期期間に打ち出されて、2021年4月からは第6期基本計画が開始されました。
参加者からは、それらへの対策としての若手支援パッケージ(博士課程学生フェローシップ等)、大学運営費交付金改革、10兆円規模の大学ファンドなどに関して、様々な質問や感想が述べられました。赤池さんからそれぞれ丁寧にお答えいただきました。
終了後には、参加者から次のような感想が寄せられました。
(*読みやすくするために、実際に届いた文章に編集を加えて掲載しています)
「内閣府や文部科学省が、日本の科学技術イノベーション政策にどのように取り組んでいるかを知ることができました。」
「大学運営の法人化について、実際に政策を行ってきた官僚の方から意見をお伺いしたのが初めてで興味深かったです。」
「日本の大学の博士課程進学者数が減少していることについて、より多くの人が遠慮なく博士課程に進学できる社会環境と大学環境を整備することが最も大切であると思いました。」