授業レポート
春〜夏学期「協働術G(デザインラボ)」〜十津川村 訪問記〜
COデザインセンター開講科目<協働術>
COデザインセンターでは多様な授業が開講されています。
その中のひとつである、2018年度春〜夏学期で展開される「協働術G(デザインラボ)」(上須道徳 COデザインセンター特任准教授)。
「協働術」として開講されています。
本授業の目的と目標は以下のようなものです。
・8月6日〜8月10日の期間の全てもしくは数日を使い、阪大生と十津川中学校の生徒が交流する時間をデザインする。
・十津川中学校の生徒たちに遊ぶことの楽しさを知ってもらう。
・参加する阪大生たちが十津川村の地域のこと(自然、歴史、文化など)について理解する(共感する)。
企画実施に先立ち、6月1日、担当教員と授業に参加している学生たちで、十津川村訪問を行いました。
この訪問では、8月におこなう企画について十津川中学校の先生方に報告、相談し、現地の視察も行いました。
今回は、この訪問を、立石 亮伍さん(法学部国際公共政策学科)に写真をおりまぜレポートしてもらいます。
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十津川中学校に到着しました。大阪大学豊中キャンパスから30分程度の休憩を挟んで4時間程度の移動でした。
初めて十津川村を訪れたメンバーは、写真を撮りながら、自然に調和するように立つ校舎に感嘆の声を上げていました。
中学校の内部です。とても美しい木造校舎です。
天井は突き抜けるように高く、足を踏み入れて最初に目に飛び込んでくるのは金色に輝く壁や柱でした。
中学校の校長先生と教頭先生にお出迎えいただきました。
会議の様子です。授業「協働術G」で学生が創出した案を、初めて十津川中学校の先生方に提案しました。
学生全員が発言し、多くのフィードバックも頂きました。
自信を持って自分たちの案を説明することができ、とても充実した時間になったと思います。
会議の後は、校長先生に校舎や設備についてご説明いただきました。
校舎を回りながら、沢山の施設をご紹介いただきました。
家庭科室です。机が6つに、奥には電子レンジが見えます。
十津川村の郷土料理をおりまぜた食事の献立を生徒と共に考える、という企画を立てているグループがあり、こちらの教室も使用する可能性があるということで、視察しました。
体育館です。梁が木でできており、開放的に感じられました。
皆、体育館の構造の細かい部分まで木製であることに驚いていました。
私自身も中学生時代に組み立て体操を体育館で練習したことがありますが、それを思い出しました。
ここで練習するのは気持ちよさそうだな、と思いました。
みなさんは、体育館に掲示されている校歌を見ながら歌ったことはありますか?
十津川中学校校歌「千年の祈り」です。
十津川中学校の校歌は新十津川村にゆかりがある、さだまさしさんが制作しています。
さだまさしさんの魂が詰まっています。
中学1年生の総合学習の作品が展示されていました。
生活用吊り橋として日本最長という特徴を持つ「谷瀬の吊り橋」の模型です。
私自身、「谷瀬の吊り橋」の実物を何度も渡ったことがあります。この作品は実物をそのまま小さくしたようで、とてもよくできているなと思いました。
このような展示スペースを設けられるのも、校舎にゆとりあるように作られているからかもしれません。
剣道場です。剣道部は少数精鋭、過去に何度も全国大会に出場している強豪です。
私が以前、中学1年の女子生徒に話を聞いたとき、その生徒も近畿大会に出たことがあると言っていて、驚いたのを覚えています。
十津川村に南北朝時代から受け継がれる武士の気質によるものなのかもしれません。
竹刀をお借りし、構えをしてみました。隣は、授業を担当されている上須先生です。
この学生は、今回の「協働術H」の授業でも重要な役割を果たしています。
《校内で見つけたおもしろ掲示 Part1》
校内にはこのように「おっ、面白いな」と思わず感じるような掲示が多数施されていました。
生徒の自由な発想と、生徒と先生の関係の近さを感じました。
《校内で見つけたおもしろ掲示 Part2》
「気を引きしめて勉強しよう」月間標語のようなものだそうです。
十津川中学の先生方は、「生徒の学力をより伸ばしたいと思っている」と私たちにお話しくださいました。
生徒たちのやる気が伝わってきます。このやる気のベクトルやモーメントを伸ばすサポートをしたいです。
《校内で見つけたおもしろ掲示 Part3》
手を洗うところに四季の英単語が掲示されていました。(色の配色が個人的には好きです。)
《校内で見つけたおもしろ掲示 Part4》
階段に12か月の古語と英語での読み方が!昇るたびに目に入るし、色分けされてあるので簡単に覚えることができそう。
大きさとフォントが見えやすいよう工夫されています。
十津川中学校から出る際に撮った一枚です。先生が給食の前に掃除をしていました。
話しかけに行く学生も。先生とご挨拶することができました。
次は十津川高等学校へ向かいます。
十津川高等学校に到着しました。
先生方にお出迎えいただきました。
正面玄関を通るとすぐに目に入るのがこのコーナー。十津川高校には工芸部があります。
卒業生や先生の作品が展示されており、実際に触ることもできます。
工芸部の作品で実際に遊ぶ様子。木のおもちゃは幼いころの思い出をくすぐります。
木と木が奏でる音に、皆、気付けば耳をすましていました。
このような時間も、心地よかったです。
実際に工芸を行う部屋で、工芸の先生にお話を伺いました。
大型の機械の用途や、普段生徒たちがどのように作業しているか、先生はどのように関わっていらっしゃるのか、などを教えていただきました。
工芸部の作品です。そうです、「オセロ」です。片面は木そのままの色活かし、裏面は緑色に着色されています。
木の感触を楽しみながらプレイできるのが魅力だと思いました。
細部までしっかり作りこまれています。
高校の周りを案内していただきました。
校舎のそばにはこのように川が流れていて、県内唯一のボート部が練習に使っています。
高校周りの川今は濁っていました。最近ダムを開放した影響だそうです。
ボート部のボートが収納されています。
校内にある唯一のテニスコートです。生徒数が少なくなり、手入れに苦労するようになったので、この大きさになりました。元々はこの4倍ほどの面積があったそうで、削ったところは駐車場になったそうです。
《おまけ Part1》
道の駅でお昼ご飯を選んでいる様子です。
めはり寿司やさんま寿司やちらし寿司、具が多彩ないなり寿司など、たくさん並んでいました。
十津川村は海には面していませんが、魚も新鮮にいただくことができます。
《おまけ Part2》
十津川村の道の駅です。道に面するところでは源泉かけ流しの足湯を堪能できます。
道の駅1階にはお弁当、お土産が販売されており、域内のイベントのチラシなどもかなり置いてあります。
地下には無料の展示場が、2階には蕎麦屋さんがあり、そこでは十津川村の神納川地区で放鶏されている鶏の卵を食べることができます。
十津川中学校に提案した企画には、十津川村の文化や食に関するものもあります。
今回の訪問の中で見たこと、聞いたこと、感じたことをもとに、さらに良い企画にしたいと思います。
写真と文:立石 亮伍(法学部国際公共政策学科)