大阪大学
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授業レポート

2018年4月26日(木) 公開

授業レポート
春〜夏学期「協働術G(デザインラボ)」
COデザインセンター開講科目<協働術>

COデザインセンターでは多様な授業が開講されています。


その中のひとつである、2018年度春〜夏学期で展開される「協働術G(デザインラボ)」(上須道徳 COデザインセンター特任准教授)。シラバスには、授業の目的として

「地方や農村部の疲弊がいわれて久しくなります。少子高齢化・人口減少および東京一極集中という構造的な問題がある一方、日本には多様性が存在します。日本のそれぞれの地域には長い歴史があり豊かな文化が存在しています。国土の7割を占める森林、および3万キロにも及ぶ海岸線は豊かな自然があることの裏返しです。本授業では、地域に存在する課題や資源を再評価し、人々が安心して豊かに暮らす成熟した地域社会の実現に向けた実践的取組をデザインします。

と、あります。
いったい、どのような授業なのでしょうか。

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4月13日(第一回目)

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初回授業は、授業の大枠についてのガイダンスでした。

まず、この授業のフィールドとなる十津川村の特徴について、上須先生より説明がありました。
・十津川村は、日本で最も面積の大きな村である。東京都23区より広く、淡路島や琵琶湖とほぼ同じ面積を持つ。
・少子高齢化が進み、学校の統廃合が実施されてきたという経緯がある。2012年に村内4つの中学校を統合し、現在の十津川中学になった。
・子どもたちそれぞれの自宅が離れているため、放課後に一緒に遊ぶということが難しい。
・子どもたちだけで川や山で遊ぶことは禁止されている。

上須先生は、長年、十津川村のみなさんと共同でさまざまなプロジェクトを行ってきたそうです。昨年度は、十津川村固有の農作物の現状について、学生も参画して調査を行なったとのことでした。

今年度の本授業は、十津川中学校の校長先生からの「子どもたちはとても可愛い。しかし、奈良県都市部や、全国の子供と比べると、さまざまな課題を抱えている。それらについて、阪大の学生さんたちが一緒になって考えてくれるような機会をつくってほしい。」というお話を受けてのもの。十津川村の役場や教育委員会、同窓会の方からも高い期待がよせられているのだそうです。

本授業の目的と目標として、上須先生より、以下が提示されました。
・8月6日〜8月10日の期間の全てもしくは数日を使い、阪大生と十津川中学校の生徒が交流する時間をデザインする。
・十津川中学校の生徒たちに遊ぶことの楽しさを知ってもらう。
・参加する阪大生たちが十津川村の地域のこと(自然、歴史、文化など)について理解する(共感する)。

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本授業を上須先生と一緒に運営する、栗本修滋先生(工学研究科附属オープンイノベーション教育研究センター 特任教授)からは、以下の「二つの面」を大切にしてほしい、という話がありました。
ひとつは、「関係性」を理解するということ。その場にいる人同士や、人と地域の様々なものとの関係性を理解してほしいということ。
もうひとつは、「物語」として理解するということ。そこに至るまでには様々な「物語」が存在しているはず。その場限りでは見えにくいのかもしれないが、ぜひその「物語」をとらえるようにしてほしい、とのことでした。

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今後のスケジュールとしては、以下が示されました。
・4月27日 工程表の作成
・5月25日 企画書提出
・6月初旬 現地訪問、企画書の提案
・7月20日 グループ発表
・8月6日〜 プロジェクト実施

上須先生も「企画書の提出まで、かなり準備が必要ですよ」と学生たちに伝えていましたが、スケジュール管理も含め、思考力も体力も必要になりそうです。
同時に、他では経験できないような経験ができる授業の内容に、参加していた学生たちのモチベーションは非常に高いものとなっていました。


4月20日(第二回目)

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この日の授業は、グループ分けから始まりました。「それぞれが忙しい生活を送っていて、時間の制約や、キャンパス間の移動もあるなかで、どのようなグループ編成にしたらよいか」という上須先生からの問いかけに対して、学生たちから「専門分野やバックグラウンドが異なる人同士でグループになったほうが、良い提案ができそう」という意見が出ました(吹田の学生たちも、豊中に来て活動します、とのこと)。結果的に、文系・理系、学部生・大学院生混合のチーム編成となりました。

早速、4グループに分かれて、話し合いをスタート。

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勉強の楽しさ、面白さを伝えたい。
勉強にこだわらず、夢中になって取り組んだ、という経験をしてほしい。
生徒たちに楽しんでもらうためには、自分たち自身がまずは楽しむということを大切にしたい。
自分自身の中学生や高校生と接した今までの経験を活かしたい。
自分自身の専門分野を活かしたい。
などなど、色々な話が出ていました。

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話すうちにだんだんと、どういう方向で話し合いをすすめていこうか、と考えはじめる学生たち。

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まずはお互いのことを理解しよう、というグループ。
とにかくやりたいと思うアイデアをたくさん出してみよう、というグループ。
最初にコンセプトを固めよう、というグループ。
アイデアだけでなく、実現に向けたアプローチも様々でした。

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来週の授業では、工程表の作成を行います。
いったい、このあとは、どのように議論がすすんでいくのでしょうか?
引き続きレポートしていきたいと思います!

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