COデザインセンター共創イノベーションセミナーシリーズ
科学技術基本計画(1995-2016)のその後
2017年9月27日(水)、15時半より、大阪大学豊中キャンパス ステューデントコモンズ カルチエ・ミュルチラングにて、COデザインセンター共創イノベーションシリーズ「科学技術基本計画(1995-2016)のその後」を開催しました。学内外から約26人の方にご参加いただきました。
大阪大学COデザインセンター 特任教授/リヨン大学 名誉教授のArain-Marc Rieuが講演を行いました。今回の講演では、なぜ日本の科学技術計画に関する政策が役割を終えつつあるかについて説明がなされました。まずは、日本の科学技術基本計画に関する政策の変遷について説明がありました。1960年代後半の通商産業省による「産業エコロジー」の形成、その後1980年代から見られた代替の原則に基づく一連の政策、また生態環境と技術の代替は不可能であるということを示す証拠として2011年の福島の原発事故について触れられていました。
講演の後は、参加者の皆さんと共に議論をする時間をとりました。その中では、次のような話題が出ました。例えば、日本の大学における産学社学連携について。大阪大学は産学連携の取り組みがいち早く行われた大学ですが、全学に展開できていないという課題があるというコメントがありました。Rieu教授からは、スイス・ローザンヌ大学の取り組みが紹介され、日本の大学よりもかなりフレキシブルな企業や地域との連携や人材交流(異動)があることがわかりました。また、大学における学生の重要性についても強調され、企業が直接学生の研究プロジェクトを支援するパリの取り組みも紹介されました。
今回のセミナーはRieu教授の大阪大学での最終講義という位置づけでもありました。講演やディスカッションの中で直接は触れられませんでしたが、お話の内容から、このセミナーシリーズを発展させ地域イノベーションにつながるアウトプットを出していただきたい、というメッセージを私たちCOデザインセンターに残されたような気がしました。