文化人類学の学び方
ぶんか じんるいがく の まなび かた
解説(かいせつ):池田光穂(いけだみつほ)
文化人類学の理論やフィールドワークをはじめとする文化人類学の研究実践に興味をもたれた人は、はたしてどのように文化人類学を学ぶことができるでしょうか? ここでは文化人類学のつぎの5つの実践について考えます。
1.文化人類学の理論について、より知識を深める
2.おなじ関心をもつ人たちで研究グループをつくる
3.文化人類学を実践している研究教育機関を訪問する
4.文化人類学をテーマにした研究会や学会に出席する
5.自分でさまざまな文化人類学の研究プロジェクトをつくりあげる
1.文化人類学の理論について、より知識を深める
文化人類学に関する本(図書館)、ウェブページ、博物館などを訪問し、手当たり次第に読んでみよう。文化人類学の面白いところ――ある意味で欠点でもあるが――は、その研究テーマ、方法論、理論(=考え方)、そして、それを研究する文化人類学者の主義主張に、おおきな広がり(=多様性)があることだ。文化人類学を勉強することで、もっとも重要なことは、あなたが手にした文化人類学の本が、どのような点でも完璧なものではないということだ。ということは、あなたにぴったりした文化人類学が、かならずどこかにある可能性がある。つまり、あなたなりの文化人類学を構築できるということなのだ。
2.おなじ関心をもつ人たちで研究グループをつくる
文化人類学は1番の命題のように、多様な広がりがある。文化人類学を学ぶということは、人間の知識の広がりを知ることであり、また人間の思考の多様性にも触れることである。同好の士を探すことは重要である。また、その多様性に辟易しながらも、共通点を見いだしてゆく努力も大切である。将来必要となる文化人類学者の能力開発の課題(=修養)として、変人とつきあい、勉強をするために協調するということは大切なことなのだ。
問題にもとづく学習(Problem-Based Learning, PBL)は、文化人類学を実践的に学ぶのにもっともよい方法である。
3.文化人類学を実践している研究教育機関を訪問する
文化人類学について学ぶことの要衝は、1番と2番の命題を守ることにつきる。しかし、これだけでは、無手勝流の文化人類学の体得に終わる可能性がある。世の中で通用する文化人類学のスタンダードを知ることは重要である。全国にある文化人類学を研究教育している機関を訪ねて、自分(達)のイメージを確認することが重要である。
文化人類学の研究機関のリストは、この分野の最大の学会である『日本民族学会』――なぜ文化人類学ではなく民族学なのかは歴史的経緯もあるので説明を省くが早晩変わるはずだ(変わるべきなのだ)――については以下のウェブサイトから調べることができる。
■ 日本文化人類学会
4.文化人類学をテーマにした研究会や学会に出席する
文化人類学をテーマにした研究会や学会はでリンクする日本文化人類学会のウェブページに地方の研究会や全国レベルでの学会(研究大会と言います)に関する情報が掲載されています。地方の研究会や研究大会は、原則として学会員ためにありますが、一定の手続きを踏めば、学会員でない人にも参加することができます。その場合、参加料などを徴収されることもありますので、あらかじめ理解しておいてください。
5.自分でさまざまな文化人類学の研究プロジェクトをつくりあげる
文化人類学について、ある程度知識がついたら、つぎに実践ということになります。同好の士とプロジェクトを組んでミニ・プロジェクトを組んでみてはどうでしょうか?
もちろん、文化人類学の研究対象は広く人間一般を含んでいますので、調査に関するさまざまな制約――行政府の許可や指導、調査対象者との倫理的な関係の遵守など――がありますが、これは何も文化人類学の実践のみに課せられるものではなく、ひろく科学一般において適応されるものです。
プロジェクトを立ち上げたら次のステップに進みます。
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